ロードセル入門
第1章 ロードセルの概要
01. ロードセルの定義
10問10答でもお話しましたが、ロードセルとは、力(質量、トルク)を電気信号に変換して出力するセンサーです。荷重変換機とも呼ばれます。
辞書では ‘重さを数字で表示する電子はかりに必ず必要な重さ測定装置’ と表しています。英語では LOAD CELL であり、訳すと LOAD (荷重を受ける) CELL (単位素子)となります。
ロードセルを作動原理から分類すると
- 液圧、空気圧を利用するもの
- 弾性を利用するもの
- 磁歪効果、圧電効果などを利用するもの
になります。
ロードセルといえば、ひずみゲージ式が多く普及されていますので、一般的にロードセルといわれるものはひずみゲージ式を指します。
ひずみゲージ以外にも磁歪式、静電容量式、ジャイロ式などの測定装置がありますがこの文書ではひずみゲージ式ロードセルを中心に解説します。
02. ひずみゲージ式ロードセルの特徴
ひずみゲージ式ロードセルの特徴は次のようになります。
- 精度が高く温度変化などの影響も小さい。
- 出力が電気信号なので遠距離伝達、指示が可能。コンピュータによる演算と処理が容易である。
- 計測できる荷重容量に対し、他の方式のロードセルにくらべ大きさが小型である。
- 弾性体の変形によるたわみが少ないので固有振動数が高く、計測時間を短くすることができる。動的な現象の計測も可能である。
- 可動部分、摩擦部分がないので保守が容易で長寿命である。
- 原理が単純で構成部分も少なく、製作が簡単である。
- 過負荷にならない限り疲労特性は良く、半永久的に性能が維持される。
- 出力が μV オーダーという極小な電圧のため、その取扱が非常に大変であったが、電気技術の発展と共に問題は解決された。