血圧のおはなし

最高血圧・最低血圧って?

血圧計に表示される「最高血圧」とは、心臓が血液を送り出すために、心臓の筋肉をギュッと収縮させた時の圧力のことで、収縮期の血圧、最大血圧、最高血圧ともいいます。
一方、「最低血圧」とは、心臓の筋肉が最も広がった時の圧力のことで、拡張期の血圧、最小血圧、最低血圧ともいいます。

この「最高血圧」と「最低血圧」を測ることで血圧の正常値に当てはまっているかどうかを把握することができます。

家庭血圧の正常値は、最高血圧が135mmHg未満、最低血圧が85mmHg未満です。
一方、診察室血圧の正常値は、最高血圧が140 mmHg未満、最低血圧が90 mmHg未満です。

診察室 血圧値の分類(成人血圧)

上記の値は診察室で測定した場合の血圧値です。家庭血圧は上記の値より5mmHg低い値を目安にしてください。

収縮期血圧、拡張期血圧のどちらか一方が上記の条件を満たしていれば、分類に相当します。分類が分かれた場合は、高い方の分類を採用します。

出典:特定非営利活動法人日本高血圧学会「高血圧の話/血圧値の分類(成人血圧,単位はmmHg)」表より改変

高血圧の治療は、将来起きる可能性のある心血管病(脳卒中や冠動脈疾患など)を予防するために行います。治療の目標としては、高血圧と診断された後には、生活習慣の修正を行います。リスクにもよりますが、降圧治療を始めたら最終的に130/80mmHgを目指します。ただし、糖尿病や腎臓病などのある方はさらに低くする必要があります。

  診察室血圧
(mmHg)
家庭血圧
(mmHg)
75歳未満の成人(※1)
脳血管障害患者
(両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞なし)
冠動脈疾患患者
CKD患者(蛋白尿陰性)(※2)
糖尿病患者
抗血栓薬服用中
<130/80 <125/75
75歳以上の高齢者(※3)
脳血管障害患者
(両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞あり、または未評価)
CKD患者(蛋白尿陰性)(※2)
<140/90 <135/85

(※1)未治療で診察室血圧130-139/80-89mmHgの場合は、低・中等リスク患者では生活習慣の修正を開始または強化し、高リスク患者ではおおむね1ヶ月以上の生活習慣修正にて降圧しなければ、降圧薬治療の開始を含めて、最終的に、130/80mmHg未満を目指す。既に降圧薬治療中で130-139/80-89mmHgの場合は、低・中等リスク患者では生活中間の修正を強化し、高リスク患者では降圧薬治療の強化を含めて、最終的に130/80mmHg未満を目指す。
(※2)随時尿で0.15g/gCr以上を蛋白尿陽性とする。
(※3)併存疾患などによって一般に降圧目標が130/80mmHg未満とされる場合、75歳以上でも忍容性があれば個別に判断して130/80mmHg未満を目指す。降圧目標を達成する過程ならびに達成後も過降圧の危険性に注意する。過降圧は、到達血圧のレベルだけでなく、降圧幅や降圧速度、個人の病態によっても異なるので個別に判断する。

降圧目標

高血圧の治療は、将来起きる可能性のある心血管病(脳卒中や冠動脈疾患など)を予防するために行います。治療の目標としては、高血圧と診断された後には、生活習慣の修正を行います。リスクにもよりますが、降圧治療を始めたら最終的に130/80mmHgを目指します。
治療による目標血圧値(成人血圧、単位はmmHg)は以下の通りです。

75歳未満の成人

診察室血圧(mmHg) 家庭血圧(mmHg)
130/80未満 125/75未満

75歳以上の高齢者※

診察室血圧(mmHg) 家庭血圧(mmHg)
140/90未満 135/85未満
(様子を見ながら下げられれば)
140/90未満
135/85未満

※ 併存疾患などによって一般に降圧目標が130/80mmHg未満とされる場合、75歳以上でも忍容性があれば個別に判断して130/80mmHg未満を目指す。

出典
日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会編︓「高血圧治療ガイドライン2019」より引用改変

ページ内文書参考:厚生労働省 e-ヘルスネット