TM-2487検査項目の説明
血圧分類
高血圧治療ガイドライン2019では、高血圧診断は「診察室血圧」と「診察室外血圧」のそれぞれの診断により、「非高血圧」「白衣高血圧」「仮面高血圧」「持続性高血圧」の4種類に分類されています。
白衣高血圧
普段の生活では血圧が正常範囲内であるにもかかわらず、病院や診療所で血圧を測定すると高血圧を示すことがあります。
持続性高血圧
診察室でも家庭でも血圧が常に高い状態が続くことを指し、診察室で測定した血圧が140/90 mmHg以上、24時間の平均が130/80 mmHg以上の場合に分類されます。
仮面高血圧
病院や診療所で測定した血圧が正常範囲内であるにもかかわらず、家庭や職場などで測定すると高血圧を示す状態のことです。
通常の診察では見逃されやすいため「仮面」と呼ばれます。
高血圧基準
日本高血圧学会のガイドラインでは下表の通り、自由行動下の高血圧基準が定められています。
解析ソフトウェアTM-2487では、24時間平均、昼間平均、夜間平均をレポート出力します。
24時間平均
解析区間内のデータの平均値です。
24時間血圧平均値130/80 mmHg以上が高血圧とされています。
昼間平均
起床時間中の平均値です。
昼間血圧平均値135/85 mmHg以上が高血圧とされています。
夜間平均
就寝時間中の平均値です。
夜間血圧平均値120/70 mmHg以上が高血圧とされています。
早朝の血圧変動
早朝高血圧とは夜間から明け方にかけて血圧が上昇し、早朝時間帯に測定した血圧が135/85 mmHg以上になる状態です。通常、血圧は夜間に低くなり朝にかけて徐々に上昇しますが、早朝に血圧レベルが急激に上昇する血圧モーニングサージ型、夜間から早朝にかけて持続して血圧が高い夜間高血圧型(Riser/Non-dipper型)があります。
解析ソフトウェアでは早朝の血圧変動の指標として早朝血圧、日内サージ、起床サージを解析しています。
早朝血圧
早朝血圧は起床後から起床後2時間までの収縮期血圧値の平均値を指します。
日内サージ
日内サージは就寝時間中の※収縮期血圧最低点と早朝血圧の差を指します。
※3点の移動平均値
起床サージ
起床サージは起床2時間前から起床までの収縮期血圧値の平均値と早朝血圧との差を指します。
夜間血圧降下度
夜間の血圧がどの程度低下するかを示す指標で、4つのタイプに分類されます。
収縮期血圧の平均を使用して100-(夜間平均÷昼間平均×100)で計算されます。
参照ガイドライン
・高血圧治療ガイドライン2019
・24時間血圧計の使用(ABPM)基準に関するガイドライン(2010年改訂版)
その他 用語
IHB(Irregular Heart Beat:不規則脈波)
IHBとは、脈間隔の「ゆらぎ」を意味しています。脈間隔の「ゆらぎ」は、生理的な要因で起こるものから、心臓や、そのほかの疾患によるものまで、さまざまな原因で起こります。 主な要因としては、 運動・体温上昇・加齢・体質・感情変化などがあります。IHBが表示された場合、血圧値を正しく反映しない可能性があります。
SD(Standard deviation:標準偏差)、CV(coefficient of variation:変動係数)
SDは処理区間内の対象データのばらつきを表す指標です。
CVは相対的なばらつきを表す指標です。標準偏差はスケールの影響を受けるため単位の異なる検査方法や数値の差が大きい場合には、直接比較することができません。変動係数は、標準偏差からスケールの影響を排除しているため、ばらつきの度合いを比較することができます。
DP(ダブルプロダクト)
DP(ダブルプロダクト)とは心筋の酸素消費量を反映した指標です。