開発ポリシーはマーケットイン。お客様のニーズに柔軟に対応して新しい製品を生み出しています。

インタビュアー 失礼ながら、セメダインは家庭用の接着剤だと思っていました。

藤城様 実は当社の新入社員の中にも、家庭用の接着剤だと思って入社してくる者がいます（笑）。実は家庭用は売上の約17％で、80％超が建築 ・ 土木 ・ 工業用製品なのです。

宇野様 建築 ・ 土木においては、主に住宅などの内装 ・ 外装材の接着剤やトンネルの防水シールなどにご使用いただいています。

藤城様 工業用は航空機や新幹線車両、自動車、太陽光パネル、パソコン、カメラ、医療機器など、ありとあらゆるモノを構成する部材の接着にお役立ていただいています。

インタビュアー 私たちのビジネスや暮らしの必需品を開発されているということですね。

藤城様 当社はそれぞれの時代における需要の変化、お客様のニーズに対応して製品を開発してまいりました。

宇野様 いくつか例を挙げますと、1982（昭和57）年に発売した世界初の一液型変成シリコーンシーラント「セメダインPOSシール」があります。この製品がのちに、やわらかいけど剥がれない弾性接着剤の“はしり”になりました。

藤城様 1992（平成4）年に「粘着接着」、「弾性接着」、「無溶剤」という三大特長を備えた世界初の一液常温硬化型接着剤「セメダイン スーパーＸ №8008」を発売し、その後もさまざまな機能性を付与したスーパーXを開発してきました。

宇野様 直近では、2022（令和4）年に建築構造接合に適用できる構造用接着シート「ATLAS^TM」を開発しました。清水建設株式会社様との共同工法開発により、従来工法と比較して投入人工が約50％削減できることを確認しています。

テンシロン万能材料試験機は、毎日、使用予約がぎっしり入っています。

インタビュアー テンシロンは、そのような新製品開発の試験にお使いいただいているのですね。

藤城様 開発センターでは導入以来、毎日のように接着強度や耐久性の試験をして、相関性のある実績データを積み上げています。長年使用していますが、精度で問題になったことはないので信頼して使用しています。

宇野様 テンシロンは操作性がよく、直感的に使用できる“使いやすい試験機”ですね。大勢の研究員が代わる代わる使うので、早めに使用予約を入れる必要があります。

藤城様 伸び計も有用です。伸び計の導入前は試験体に定規を当てて目視で測っていましたが、手間もかかりますし、正確さに不安もありました。いまは伸び計がデジタルで読み取ってくれますので、安心して試験ができています。

グルーバル展開もマーケットインのポリシーで推進していきます。

インタビュアー グローバル展開についてお聞かせください。

藤城様 海外においても、市場のニーズに対応した製品開発と技術提供を行っています。今後もさらに海外比率を高めていきたいと考えています。

宇野様 当社のミッションとして掲げている『つけるが、価値。つけることを通じて、新しい価値を生み出し、世の中の課題に答えを出す。』をグローバル市場でも推進していきます。

インタビュアー 本日は貴重なお話をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。

関連動画

テンシロン万能材料試験機を使用してゴムサンプルの繰り返し引張試験を行う動画がございます。こちらもご覧ください。