情報マガジン『WAY』
エー・アンド・デイ情報マガジン『WAY』
VOL.44 2024.SEPTEMBER 株式会社木原製作所様
- ユージングシーン
- A&D製 ベーシック電子天びん GF-2002A(A&D Apollo)
温風乾燥挙動のモニタリングが可能な温風乾燥試験機に、
床下ひょう量金具を標準装備したA&Dのベーシック電子天びんをご採用いただいています。
株式会社木原製作所様にインタビュー
1902(明治35)年創業の木原製作所様は、1928(昭和3)年に当時の大蔵省専売局から業界最古参の葉たばこ乾燥機メーカーとしての指定を受けて以来、乾燥機における高度な温湿度管理技術を蓄積されています。
新開発の温風乾燥試験機「RAD-AD-EC80」は、いままでは測定が困難だった温度・湿度・品温・質量の正確なデータを抽出・蓄積できるため、食品メーカーを中心に公的研究機関や工業用材料メーカーなどの開発・研究部門で注目の的になっています。
- 株式会社木原製作所
- 左:常務取締役 木原 功一朗様
- 右:営業部 部長 小野 等様
少量のサンプルで全データを自動で抽出。測定業務の省力化、経費節減、環境保全に貢献。
- インタビュアー 温風乾燥試験機「RAD-AD-EC80」の開発目的を教えてください。
- 木原様
いままでは乾燥中に試験機の中から30分置きなどで乾燥物を取り出し、目視・触感・質量測定などで乾燥状態を確認していたため、その都度乾燥庫内の環境が変化し、正確な測定ができませんでした。また、測定中に取り出した乾燥物が冷めてしまい、乾燥の失敗が続き、最適な乾燥プログラム構築までに長時間・ 高コストが必要でした。
乾燥試験中は他の業務に手が付けられず、夜間に及ぶことがあるくらい長時間データを取り続けなければならないため、大変な労力をかけていました。また、乾燥の失敗による食品ロスが多く、環境にやさしいとはいえない状態でした。 - 小野様 食品は乾燥させることで保存性が高まります(注1)ので、環境保全の観点からも食品の乾燥需要がますます増えています。それらの需要にお応えするために、我々が培ってきた温湿度管理技術をさらに進化させた装置を開発したいと考えました。
- インタビュアー 「RAD-AD-EC80」で、いままでの課題を一気に解決できるということでしょうか?
- 木原様 そのとおりです。さらに、当社オリジナルのデータ表示プログラムを使ってこれらの測定データを瞬時に1つのグラフに表示することにより、連続的に乾燥挙動をモニタリングすることができます。
A&Dさんの天びんは正確な計量ができるので、信頼して継続採用しています。
- インタビュアー 画期的な新製品にA&Dの天びんをご採用いただき、ありがとうございます。
- 木原様 A&Dさんの天びんは十数年前からずっと継続採用しています。床下ひょう量(注2)金具が標準装備されているので、この装置に組み入れやすかったですね。また、A&Dさんの天びんは測定データのパソコンへの通信設定がスムーズで使いやすいです。
- インタビュアー 開発にあたって一番ご苦労されたことは、どのようなことでしたか?
- 木原様 質量を測定する方向と槽内監視カメラで被計量物を写す方向が同じ「上から」でしたので、床下ひょう量金具とカメラの位置設定に苦労しました。試作品をつくり工夫をしながら、10回以上のマイナーチェンジを行ってつくり込んでいきました。
『キハラの乾燥で、感動』のスローガンのもと、お客様と社会にとって価値のある企業をめざしています。
- インタビュアー 知的財産の取得にも注力されているそうですね。
- 小野様 販売戦略の中に知財戦略を盛り込んでいて、特許を多数取得しています。特に輸出において特許の重要性が増しています。
- インタビュアー 今後の抱負をお聞かせください。
- 木原様 今後も山口にいながら世界に貢献する企業として地域産業振興に貢献していきます。「RAD-AD-EC80」はまず大手メーカーで実績をつくり、地域に展開させていきたいと考えています。さらに現在、「冷風除湿機能付き」、「マイクロ波照射機能付き」、「加湿機能付き」、「高温乾燥仕様」など、次から次へとニーズをとらえて、さまざまな乾燥方法に対応した試験機の開発に取り組んでいます。
- インタビュアー 本日は貴重なお話をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。
お客様情報
株式会社木原製作所
- 本社
- 山口県山口市秋穂西3106-1
- 創業
- 1902(明治35)年12月3日
- 設立
- 1951(昭和26)年2月13日
- 資本金
- 4,500万円
- URL
- https://www.kiharaworks.com/
お使いいただいているA&D製品
ベーシック電子天びん GF-Aシリーズ(A&D Apollo)
- 生産ラインの組み込み時に
ISD:衝撃検出機能(Impact Shock Detection)【特許取得済】
計量皿に衝撃が加わった時に、4段階の警告表示とブザーでお知らせ - ポンプ流量など液体の計量に
FRD:流量測定機能(Flow Rate Display)【特許取得済】
荷重の変化を「流量」として計算 天びん単体で高精度の流量測定が可能 - 天びんの繰り返し性・最小計量値の確認に
ECL:電子制御荷重(自己点検)機能(Electronically Controlled Load)【特許取得済】
エー・アンド・デイ独自の天びん内部機構により、外部分銅を使わずに天びんの繰り返し性を算出、わずか90秒で完了 - 本体底面に床下ひょう量金具を標準装備