答えは現場にあり。現場が使いやすいシステムをつくるために試行錯誤を繰り返しました。

インタビュアー 自動システムを開発された目的を教えてください。

勝又様 このシステムを導入する前は人海戦術によるアナログ作業でした。それでは手間も時間もかかりますし、手書きやパソコンへの手入力では入力ミスのリスクがあります。何とかして健診スタッフの負担を減らしたいと、ずっと考えていました。

山田様 勝又さんから相談を受けて、まず現場のスタッフのみなさんに聞き取り調査をしました。どのようなことに困っているのか、どうすれば改善できると思うのか、じっくりと話を聞くことから始めました。

インタビュアー このシステムが完成するまでに、ずいぶん試行錯誤を繰り返されたそうですね。

山田様 答えは現場にあります。どんなによいシステムをつくっても、現場が使ってくれないと意味がありませんので。みなさんが使いやすいように何度も設計変更し、改善を重ねました。

インタビュアー Ａ＆Ｄの機器をご採用いただいた理由は、どのようなことだったのでしょうか？

山田様 インターネットで調べて、Ａ＆Ｄさんがデジタル化を重視している会社だと感じたことがきっかけですね。その後、営業の方に来ていただき、熱心な説明を伺って「これしかない！」と納得して採用を決めました。

データ収集はインテリジェント・トレイとICカードで効率化。健診スタッフにも受診者様にも喜んでいただいています。

インタビュアー 自動システムの概要を教えてください。

勝又様 身長体重、腹囲、視力、聴力、血圧の5つの検査結果のデータを自動でICカードに記憶させ、Ａ＆Ｄさんのデータ収集アダプタ「AD-6904A」を組み込んだ装置を通じてパソコンに取り込みます。「インテリジェント・トレイ」と名付けたこの装置は、健診スタッフ全員の知恵と工夫による池田病院のオリジナルトレイです。

山田様 「インテリジェント・トレイ」内部の組付けや配線作業もすべて内製で、自動システムに必要な機器を全部組み込みました。必要な機器が一式そろった状態で健診会場に持ち込むので、一部の機器を紛失するおそれもなく、現場で設定する手間と時間を省くことができます。巡回健診に持って行きやすいように専用のアルミケースも工夫しながら製作しました。現状ではちょっと重いのが難ですが（笑）。

勝又様 健診会場には検査装置と「インテリジェント・トレイ」を持って行って設置するだけなので、いままでよりもはるかに効率的になりました。検査時間も短縮できましたので、健診スタッフの工数が少なく見積もっても50％以上削減できましたし、いままでよりも早く健診が終わるので受診者様にも喜んでいただいています。

現状は人間ドックで行っている血圧の複数回測定を、巡回健診でも取り組むための準備を進めています。

インタビュアー 日本高血圧学会などで血圧の複数回測定が推奨されていますね。

勝又様 当院は現状では複数回測定を人間ドックで行っていますが、巡回健診では未実施です。
以前の血圧測定は健診スタッフがアナログ的な測定を行っていましたが、いまでは全自動血圧計で受診者様が一人で測定できるようになり、そのぶん健診スタッフの工数が減りましたし、精度が高い健診のために、巡回健診でも複数回測定をして平均値を採用するための準備を進めています。

インタビュアー Ａ＆Ｄの「診之助Slim TM-2657WVP」というモデルは、自動で複数回測定をして平均値を出力することができます。

勝又様 そのモデルは人間ドックで使用させていただいています。おかげさまで、人間ドックでは無理なく複数回測定ができています。時代のニーズにマッチした便利な血圧計ですね。
いまの自動システムがゴールではないので、これからも改良改善を重ねて、皆様の健康管理のお役に立ちたいと思っています。

インタビュアー 本日は貴重なお話をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。

（聞き手：株式会社エー・アンド・デイ 営業推進部）