診察室での血圧測定
正しい血圧のはかり方

血圧値の判定は2回平均?

血圧は2回の平均値での判定が推奨されている事をご存知でしょうか?
日本高血圧学会のガイドラインでは、次のような方法を「診察室での血圧測定方法」として推奨しています。(日本高血圧学会発行「高血圧治療ガイドライン2019」より)

1.どんな血圧計がいいのでしょうか?

上腕式の自動血圧計による測定が標準的とされています。

自動血圧計は、定期的な点検、および各機器の添付文書に記載の耐用年数・測定回数を考慮した使用が必要です。
自動巻き付け式血圧計を待合室などで使用する場合は、十分な指導と管理の下で測定されなければ、大きな誤差が生じるのでご注意ください。

2. 測定にあたっての注意点はありますか?

次の4点をご留意ください。

a. 静かで適当な室温の環境
b. 背もたれつきの椅子に脚を組まずに座って数分の安静後
c. 会話をかわさない
d. 測定前に喫煙、飲酒、カフェインの摂取を行わない

3. 測定方法の注意点はありますか?

前腕を支え台などに置き、カフ下端を肘(ひじ)より2-3cm上に巻きカフ中央を心臓の高さにあわせてください。カフを心臓の高さにあわせることがポイントです。カフは緩くなく、またきつくないように巻きましょう。緩く巻いた場合、血圧は高く測定されることがあります。

4. 測定は1回でもよいでしょうか?

1~2分の間隔をあけて少なくとも2回測定をすすめます。
もし、この2回の測定値が大きく異なっている場合 (おおよそ5mmHg) には、もう一度測定を行いましょう。

5. 2回測定した血圧はどちらが正しいですか?

2回の測定値に大きな差がない、安定した値を示した2回の平均値を血圧値とします。

備考:
自動血圧計は、定期的な点検、および各機器の添付文書に記載の 耐用年数・測定回数を考慮した使用が必要です。自動巻き付け式血圧計を待合室などで使用する場合、十分な指導と管理の下で測定されなければ大きな誤差が生じることがあります。ご注意ください。

血圧を複数回測定するのは時間がかかるので敬遠されそうですが、日本高血圧学会のガイドラインおよびその他以下の学会基準等においても、複数回測定の上、平均値での判定が推奨されていますことを、ご確認いただけますようお願い申し上げます。

参考:
日本高血圧学会:高血圧治療ガイドライン2019

その他の基準

血圧の複数回測定は、日本高血圧学会のガイドライン以外でも勧められています。

日本総合健診医学会

基準検査項目:
「血圧測定」は原則2回測定し平均値を判定に使用する

日本総合健診医学会 公式サイト:基準検査項目

厚生労働省 標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

「血圧測定、腹囲計測等の手順」:
測定回数は原則2回とし、その2回の測定値の平均値をもって提出データとする

現場の実施状況に応じて、1回測定についても可とする
※注:5mmHg以内条件は無し(日本高血圧学会提言により)

厚生労働省 公式サイト:血圧測定、腹囲計測等の手順

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正確な測定には定期点検が必要です

日本高血圧学会のガイドラインでは以下の記述があります。
医療機関においては,国内で正式に販売認証されている上腕式の医用電子血圧計が推奨される
つまり、特定管理医療機器として定期点検が義務付けられている医用電子血圧計を推奨しています。
エー・アンド・デイでは、定期点検等のメンテナンスサービスも承っていますので、ご要望ください。

血圧計の分類と定期点検(PDF形式)

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