天秤(天びん)・はかり 通信方法の選択について
エー・アンド・デイでは、お客さまの用途や目的に合わせて、最も簡単に計量データを取り込む方法からPLCを利用した計量システムに接続するまでのさまざまな通信方法を用意しております。以下は、具体的な通信方法の例となりますので、通信方法の選択時の参考にしてください。
1. 計量データを簡単に取り込みたい
AD-1688(計量データロガー)を使用する
天びん・はかりのRS-232Cから出力される計量データを記憶、記憶した計量データは、USBメモリの様に専用ソフト無しでパソコンに取り込むことができます。
AD-8527(クイックUSBアダプタ)、クィックUSBを使用する
専用ソフトなしで、天びん・はかりのRS-232CからパソコンのUSBポートへ計量データを直送します。お使いのアプリケーション(ExcelやWordなど)に計量データを直接入力できます。
2. 計量データをパソコンに取り込むだけでなく、パソコンから天びん・はかりの制御も行いたい
AX-USB-9P、AX-USB-25P、AX-USB-DIN(USBコンバータ・ケーブルセット)を使用する
天びん・はかりのUSB(双方向通信可能)インタフェースを使用する
RS-232Cケーブル(パソコンにシリアルCOMポートが必要)を使用する
データ取り込み用ソフトは、“Win-CT”を用意しております。ソフトダウンロードページより無償でダウンロードしていただけます。
USBコンバータケーブルの他、BluetoothコンバータAD-8529によるコードレスでの接続も可能です。
3. 複数台の天びん・はかりの計量データを、1台のパソコンに取り込みたい
PCのUSBポートを使用する
PCのUSBポートが複数あれば、直接USB変換ケーブルを接続する事で可能です。
イーサネット・インタフェース、AD-8526(イーサネット・コンバータ)を使用する
イーサネットコンバータAD-8526を接続する事で、より多くの天びんと接続させたり、距離が離れている天びんのデータを取得することが可能です。
4. パソコンとプリンタに、同時に計量データを出力したい
GX-AE、GX-A、GX-AWP、GF-A、GF-AWP、GX-M、GF-M、FX-i、FZ-i、各シリーズを使用する
標準装備のインタフェースか別売り品の組み込みにより、プリンタ(AD-8127)とパソコンを同時に接続可能となります。
5. PLCと接続したい
RS-232C、Ethernet/IP、BCD、CC-Linkを使用する
Ethernet/IP、BCD、CC-Linkは、天びんの別売品や周辺機器で用意されています。
6. Mac(パソコン)と接続したい
クイックUSBオプションのあるモデルや、別売品のデータロガーなどを介して、Mac(パソコン)にデータを送信する事が可能です。
動作確認済みOS : OS X 10.10 Yosemite / macOS 10.12 Sierra
詳細説明 天びん・はかり通信方法の選択について
1. 計量データを簡単に取り込みたい
AD-1688(計量データロガー)を使用する
USBメモリのように専用ソフトなしで、天びん・はかりのRS-232Cから出力される計量データを約5000個記憶できます。計量データは、日付・時刻付きでCSVファイル形式で保存され、パソコンのUSBポートに接続することにより、簡単にパソコンに読み込み可能です。専用ソフトは不要です。
専用の電源は不要です(計量器、パソコンに接続するのみ)。 離れた場所や、クリーンルームなど、パソコンやプリンタを持ち込めない場所にも最適です。
持ち運び時は、防塵防滴構造(IP65相当)になります。AD-1688は一方向通信機器ですので、AD-1688を利用して、パソコンから天びん・はかりの制御を行なう事はできません。
AD-8527(クイックUSBアダプタ)を使用する
専用ソフトなしで、天びん・はかりのRS-232CからパソコンのUSBポートへ計量データを送ります。計量データは、日付・時刻付きで、ご使用のアプリケーション(ExcelやWord、メモ帳など)に直接入力できます。Windows2000以降であればOSのバージョンは問いません。 専用の電源は不要です(計量器、パソコンに接続するのみ)。持ち運び時は、防塵防滴構造(IP65相当)になります。AD-8527は一方向通信機器ですので、AD-8527を利用して、パソコンから天びん・はかりの制御を行なう事はできません。
クィックUSB(GX-AE、GX-A、GF-A、GX-M、GF-M各シリーズは標準装備、GH、GX、GF、FX-i、FZ-i、FX-iWP、FZ-iWP各シリーズは別売品)を使用する
天びん本体に標準装備のUSBインタフェース(クイックUSBモード設定)または、別売品のUSBインタフェース(クイックUSB)を組み込むことにより、天びんとパソコンをUSBケーブルで接続し、計量データを直接パソコンのUSBポートに送信できます。
専用ソフトは不要で、Windows2000以降であればOSのバージョンも問いません。送信できるのは計量データのみで、ご使用のアプリケーション(ExcelやWord、メモ帳など)に直接計量データを入力できます。
クイックUSBは一方向通信機器ですので、クイックUSBを利用して、パソコンから天びん・はかりの制御を行なう事はできません。 クイックUSBを利用できる天びんは、以下となります。
- GX-AE、GX-A、GX-AWP、GF-A、GF-AWP、GX-M、GF-M各シリーズ:標準装備のUSBをクイックUSBモード設定でお使いください。
- GHシリーズ:別売品のGH-02をお使いください。
- FX-iシリーズ、FZ-iシリーズ:別売品のFX-i02JAをお使いください。
- EJ-Bシリーズ:別売品のEJ-02JAをお使いください。
- SCシリーズ、SEシリーズ:別売品のSCE-02JAをお使いください。
2. 計量データをパソコンに取り込むだけでなく、パソコンから天びん・はかりの制御も行いたい
AX-USB-9P、AX-USB-25P、AX-USB-DIN(USBコンバータ・ケーブルセット)を使用する
天びん・はかりのRS-232Cを変換して、パソコンのUSBポートに接続するためのコンバータとケーブルのセットです。
双方向通信、GLP/GMP出力の取り込みができます。
データ取り込み用ソフトは、“Win-CT”を用意しております。ソフトダウンロードページ(計量)より無償でダウンロードしていただけます。 USBコンバータ・ケーブルセットは、計量器のRS-232Cインタフェースの形式に合わせて、3種類から選択してください。
計量器のRS-232C インタフェースの形状 | 適合するUSBコンバータ・ケーブルセット |
---|---|
D-Sub9ピンの場合 | AX-USB-9P |
D-Sub25ピンの場合 | AX-USB-25P |
DINの場合 | AX-USB-DIN |
天びん・はかりのUSB(双方向通信可能)インタフェースを使用する
天びん・はかりの一部の機種では、USBインタフェース(仮想COMモード)にてパソコンと接続し、双方向の通信が可能です。
双方向通信可能なUSBを利用できる天びん・はかりは、以下となります。
USB標準装備:GX-AE、GX-A、GX-AWP、GF-A、GF-AWP、GX-M、GF-M、FG-CWP各シリーズ
USB別売:HV-C、HW-C、HV-CWP、HW-CWP各シリーズ
RS-232C(パソコンにシリアルCOMポートが必要)を使用する
天びん・はかりの多くの機種では、RS-232Cを標準で装備していますので、パソコンにシリアルポート(COMポート)が装備されている場合は、計量器のインタフェースにあわせた接続するケーブルをお求め頂くだけで、双方向の通信が可能です。
データ取り込み用ソフトは、“Win-CT”を用意しております。ソフトダウンロードページ(計量)より無償でダウンロードしていただけます。
3. 複数台の天びん・はかりの計量データを、1台のパソコンに取り込みたい
接続方法 | 接続可能台数(※1) | 接続する機器(※2) | ソフト | 備考 |
---|---|---|---|---|
PCのUSBポートに USB変換ケーブルを接続 |
4台 | USB変換ケーブル AX-USB-9Pまたは AX-USB-25Pまたは AX-USB-DIN |
WinCT-Plus または WinCT (RsKeyは動作不可) |
WinCT-Plusは1画面の中で複数台の計量値を取得できます。WinCTの場合は、接続する台数分WinCTを立ち上げ、それぞれのソフトのComポートを合わせて下さい |
PCのUSBポートに Bluetoothコンバータを接続 |
4台 | BluetoothコンバータAD-8529PC-W | ||
PCのUSBポートにUSBハブを接続し、 ハブにBluetoothコンバータを接続(※3) |
6台 | BluetoothコンバータAD-8529PC-W + 市販のUSBハブ |
||
PCのUSBポートに シリアル通信機を接続(※4) |
4台 | 市販のシリアル通信機 | ||
イーサネットにて接続 | 100台 (※5) |
別売のイーサネットインタフェース または イーサネットコンバータAD-8526 |
WinCT-Plus | イーサネットケーブル、イーサネットハブが必要です |
ZigBeeワイヤレス通信にて通信 | 16台 | ZigBee通信端末 AD8528TM(天びん側)、 AD8528PC(PC側) |
WinCT for Wireless |
(※1)動作確認済みの台数です
(※2)社外品については動作保証はいたしません。また、はかり側の仕様によっては、接続ケーブルやACアダプタなどの別売品が必要です
(※3)バッファロー社 BSH7 AE03 バスパワー・セルフパワーどちらも動作確認済み(動作保証はいたしません)
(※4)CONTEC社のCOM4CX-USBで動作確認済み(動作保証はいたしません)
(※5)イーサネットコンバータAD-8526の仕様としては100台までです
いずれの接続方法においても、ストリームモードなど、大量のデータをやりとりすると、データがコマ飛びする可能性があるので、コマンドモード、オートプリントモードなどの方法に限ります (基本的にPCのバッファの問題で、PC側のスペックに依存する為)。
4. パソコンとプリンタに、同時に計量データを出力したい
GX-AE、GX-A、GX-AWP、GF-A、GF-AWP、GX-M、GF-M各シリーズの場合
標準装備のRS-232C出力とUSBインタフェースを利用します。RS-232C出力でマルチプリンタAD-8127に計量データを出力でき、USBインタフェースでパソコンに計量データを出力できます。
FX-iシリーズ、FZ-iシリーズの場合
別売のUSBインタフェース(FXi-02JA、クイックUSB)、またはイーサネット・インタフェースを利用することにより対応可能です。
標準装備のRS-232C出力で、コンパクト・プリンタAD-8127に計量データを出力でき、USBインタフェースまたはイーサネット・インタフェースで、パソコンに計量データを出力できます。
5. PLCと接続したい
RS-232Cを使用する
天びん・はかりの多くの機種では、RS-232Cは標準で装備していますので、RS-232Cケーブルと、PLC側にRS-232Cの通信ユニットをご用意頂ければ接続可能です。
三菱電機製PLC(FX-3Gシリーズ、MELSEC-Qシリーズ)と電子天びんを接続する際のサンプルプログラムを用意しています。必要に応じて参照してください。
BCD出力を使用する
AD4212Aシリーズ、AD4212Bシリーズの場合:別売品のBCD出力オプション(AD4212A-01)をお使いください。
AD4212Cシリーズの場合:AD-8923-BCD(計量ライン用拡張コントローラ[BCD付])をお使いください。
その他の天びん・はかりの場合:外部コントローラAD-8922AとAD-8922A-01の使用により、BCD出力をお使いください。
Ethernet/IPを使用する
計量機器とAD-8552EIPを接続することで、Ethernet/IPを利用して計量機器のRS-232Cから出力される計量データをPLCへ通信することができます。
CC-Linkを使用する
計量機器とAD-8923-CCを接続することで、CC-Linkを利用して計量機器のRS-232Cから出力される計量データをPLCへ通信することができます。
6. Mac(パソコン)と接続したい
クイックUSBオプションのあるモデルや、別売品のデータロガーなどを介して、Mac(パソコン)にデータを送信する事が可能です。
動作確認済みOS : OS X 10.10 Yosemite / macOS 10.12 Sierra
クイックUSBを使用する
クイックUSBインタフェースを使用し、Macに直接データを送信できます。
はかりのモデル | 使用するインタフェース | 備考 |
---|---|---|
BM | 標準装備のUSBインタフェース | 設定不要 |
GH | GH-02(オプション) | 設定不要 |
HR-AZ/HR-A | FXI-02-JA(オプション) | 設定不要 |
HR-i | GH-02(オプション) | 設定不要 |
GX-A/GF-A | 標準装備のUSBインタフェース | 内部設定のUSBインタフェース、USBデータフォーマットの項目を 「1:NUフォーマット」にする ※ |
GX/GF | GX-02(オプション) | 設定不要 |
FZ-i/FX-i | FXI-02-JA(オプション) | 設定不要 |
EJ | 標準装備のUSBインタフェース | 設定不要 |
EJ-B | EJ-02JA(オプション) | 設定不要 |
SC/SE | SCE-02JA(オプション) | 設定不要 |
※Mac(パソコン)側で受け取れるデータは、数値(極性、数字、小数点)のみです。
NUフォーマット以外を選択した場合、天びんからは数値以外のデータを送信するため、Mac側に正しく入力できません。
別売品のデータロガーを使用する
データロガーに計量データはCSV形式で保存されます。PCに接続して記録されたCSVファイルを取り込みます。
使用するデータロガーのモデル | 記録されるデータ | 備考 |
---|---|---|
環境ロガー AD-1687 | 日付時刻・温度・湿度・気圧・振動・計量値 | ※リアルタイム転送モードは使用できません |
データロガー AD-1688 | 日付時刻・計量値 |