エー・アンド・デイ情報マガジン『WAY』

VOL.22 2019.NOVEMBER 東京メトロ様

ユージングシーン
左:A&D製 動ひずみ測定器を内蔵した測定架
右:A&D製 動ひずみ測定器(特別仕様品)

データ収集アダプタAD-6904Aと診之助Slim 全自動血圧計 TM-2657シリーズ

「安心してご利用いただける地下鉄」のために。
多くの人を乗せた電車が安全運行できるのは、さまざまな設備の保守点検があるからと言っても過言ではありません。

東京地下鉄株式会社(以下、東京メトロ)様にインタビュー

朝、地下鉄の自動改札を通れば、数分おきに電車がやってきます。
そして、いつもの駅で降りてオフィスや学校に向かう……、ごく日常の「東京の朝」。
このごく日常の「東京の朝」を実現するために、東京メトロ様は、さまざまな保守点検を行うなか、A&D製の動ひずみ測定器で車両状態をリアルタイムで監視していらっしゃいます。

インタビューいただいた東京メトロ 鉄道本部 車両部の画像

東京メトロ 鉄道本部 車両部
前列右:
技術開発担当部長 谷本 益久様
前列左:
総合車両システム担当課長 小山 尚之様
後列右から:
設計課 調査担当 統括事務係 小澤 諒太様
総合車両システム担当主任 石井 孝様
総合車両システム担当主任 野畑 覚様

車両状態監視装置で、走行安全性を計測・監視しています。

インタビュアー どのような計測をしていらっしゃるのでしょうか?
谷本様 電車は曲線通過中に外側のレールで車輪フランジとレールが接触し、レールにせん断応力が発生します。
このせん断応力をひずみゲージ(注1)と動ひずみ測定器で測定しています。
具体的には、電車が曲線通過中にレールに発生する横方向の力(横圧:Q)をQゲージで、車両重量などの縦方向の力(輪重:P)をPゲージで計測し、その電車の走行安全性を評価しています。
レールに発生する横圧や輪重は、お客様の乗降や電車の速度、車輪とレール間の摩擦状態などにより、時々刻々と変化しています。その時々刻々と変化する車輪とレール間に発生する力の状態を、車両状態監視装置で常時監視しています。
インタビュアー 電車の走行安全性を高めるための計測・監視ということですね。
野畑様 そうです。新型車両の開発や日々の保守点検などで走行安全性は確保されていますが、車両状態監視装置で毎日、常時計測・監視することで、さらに車両の走行安全性を高めることができます。

A&Dさんの技術力を信頼して、計測機器を採用しています。

インタビュアー 以前から、このような取り組みをされていたのでしょうか?
谷本様 ずっと以前から行っていますが、技術の進歩に合わせて、より高精度な計測・監視へと進化させてきました。車輪とレール間の摩擦の監視から始めましたが、A&Dさんの動ひずみ測定器を20年くらい前から使用しています。
初期は、プラスチックケースにオムニエース(注2)と記憶媒体を詰め込んだ簡易システムで計測を行っていました。その頃は、記憶媒体にデータが満杯になるたびに、終電後、線路脇に設置された装置へ取りに行き、解析を続けていました(笑)。
インタビュアー 現状はいかがでしょうか?
石井様 その後、車輪とレール間の摩擦状態を監視する技術の構築と動ひずみ測定器の小型化により、現在の車両状態監視装置が完成しました。車両状態監視装置は、東京メトロの全路線に設置され、営業運転中の全ての車両の走行状態をモニタリングしています。そして、従来は計測・監視が困難だった車輪とレール間の摩擦状態や力の状態を、常に評価できる体制を整えました。
インタビュアー 計測したデータは、どのようなことに活かされているのでしょうか?
小澤様 測定架(注3)を通過した車両のデータをリアルタイムに収集し、サーバに蓄積しています。
これらの膨大なデータは、日々の安全運行のためだけではなく、次世代の車両開発のために活用しています。
インタビュアー A&Dの計測機器をご採用いただいたきっかけを教えてください。
谷本様 それは、弊社と車両計測を共に実施してきた計測事業者さんとの長年の使用実績を踏まえ、安定した品質を確保するために選定させていただきました。実際に、弊社の要望に合わせてカスタマイズしてスペシャルな測定器を用意していただくなど、ご協力に感謝しています。
技術的には、耐ノイズ性能の高さですね。A&Dさんの動ひずみ測定器は、地下鉄の隧道(注4)内という厳しい環境でもノイズを除去した高精度のデータが測定できますので、迷うことなくシステムの要の動ひずみ測定器として採用しました。技術力への信頼が長いおつきあいに発展したのだと思っています。

次のテーマとして、CBM(注5)の導入計画を進めています。

インタビュアー 技術は日進月歩ですが、次のテーマはどのようなことでしょうか?
小山様 近年、進歩が著しいセンシング技術やIOTなどを活用して車両・設備状態監視の充実を図るとともに、状態データにAIやビッグデータ分析技術などを適用して、さらなる安全・安定性の向上、コスト削減、および保守業務の生産性向上をめざしています。
また、状態データを遠隔監視できるネットワークを構築し、現場支援体制を強化してまいります。
インタビュアー 本日は貴重なお話をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。

(聞き手:株式会社エー・アンド・デイ 営業企画部)

お客様情報

東京地下鉄株式会社
本社
東京都台東区東上野3-19-6
設立
2004(平成16)年4月1日
従業員数
9,741人(2019年3月31日現在)
資本金
581億円
株主
政府(53.4%)、東京都(46.6%)
URL
https://www.tokyometro.jp/index.html
東京メトロ 外観画像

お使いいただいているA&D製品

工業計測機器
シングルコンディショナ

より正確で、より確実に計測を実現

  • 動力線、強電機器などによる同相電圧や各種制御ノイズの影響を低減し、極めてSN比の高い優れた出力を得ることが可能な「ストレンアンプ AS1803R」
  • 信頼性と安全性を高めるアイソレーションアンプ「直流アンプ ALシリーズ」
  • 広帯域の信号入力を可能にした、積分器内蔵の「チャージアンプ AG3103」
ストレンアンプ AS1803Rの製品画像
データアクイジション装置
オムニエース RA2300MKⅡ(HDDモデル)/RA2300MKⅡ-S(SSDモデル)

“誰でも現場ですぐ測定”を可能にした簡単&親切な操作性

  • Ethernet、USBポート標準装備
  • 長時間SSDレコーディング:約8.7日
    ※RA2300MKⅡ-S:100μSサンプル、16ch
  • 電圧・温度・ひずみ・振動・周波数(パルス)などの各種信号を直接入力可能な11種類のアンプを用意
オムニエース RA2300MKⅡの製品画像