「不確かさ」について

計量や計測の結果得た値の信頼性を表す場合、「精度」や「誤差」という意味で表記されてきました。
しかしながら「誤差」を定量的に定義することは非常に困難で、 確率的に表現することで定量化することをもとめ、「真の値が存在する範囲を示す推定量」 として、「不確かさ」と言う表記を用いる機会が増えてきました。
これは、「真の値」からの差を意味する「誤差」という表現ではなく、「真の値」が測定値からどの程度のばらつきの範囲内にあるかを示す方法です。
JCSSの校正証明書などにも、「不確かさ」は記載されることになっています。

「不確かさ」とは?

設置環境により発生する誤差を含め、計量値に対する確度を推定すること。
測定に関わる誤差のうち影響力の大きい誤差(不確かさの要因)を、標準偏差として評価し、すべてを合成して2標準偏差相当(包含係数k=2)の 値として表したもの。
JCSSの校正証明書では、真値と不確かさを表記することになっています。

天びんの校正に影響のある主な「不確かさ」の要因

  • 校正分銅の不確かさ
  • 繰り返し性の不確かさ
  • 丸め誤差(デジタル表示)の不確かさ
  • 偏置誤差の不確かさ
  • 温度特性の不確かさ(感度ドリフト)

すべての不確かさの2乗和の平方根を取ると、合成標準不確かさとなる。
包含係数k=2の場合、合成標準不確かさを2倍して、拡張不確かさとする。

以下の資料は、エー・アンド・デイの電子天びんの代表的機種の「不確かさ」を表した表と、計算例を記載したものです。
(これは、目安となるもので、正確には校正を行う環境において実機での不確かさを見積もる必要があります。)

「不確かさ」について資料(PDF 135KB)
ピペット容量テスターのバリデーションについて (PDF 86KB)
ピペット容量テスターによる容量校正の不確かさについて (PDF 167KB)